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『中国の反外国主義とナショナリズム』の書評が産経新聞に掲載されました。   [ 2015/06/29 ]

産経新聞6月28日読書面に『中国の反外国主義とナショナリズム』(佐藤公彦著 集広舎)の書評が掲載されました。
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「敵」であり続ける必然性   評:楊海英(静岡大教授)

 「中国もの」が舞う月、溢れるほど出版されていても、日
本人など世界の人々は中国と中国人が理解できない。強烈
な違和感を覚える隣国は近代から現在に至るまで、ずっと
日本の最大の躓きの石だった、と著者は看破する。
 異文化と出会った時に中国は「外国人嫌い(ゼノフォビ
ア)」と「神秘的な法術(邪教)」で対応してきた。具体
的には「反韃子(ダーツ)主義」と「反外国主義」の形式
で現れる。韃子とはモンゴルなどユーラシアの遊牧民を指
すが、「東夷・南蛮・西戎・北狄」など中華周辺の諸民族
の総称でもある。一方、「外国」の範疇には主としてキリ
スト教文化圏の西洋諸国が入るが、倭・日本は「韃子」と
「外国」の二重性を持つ、と中国に認識されている。
 「反韃子」と「反外国」の近代史はアヘン戦争と太平天
国の乱、義和団(挙匪)事件など大清帝国の衰退期を経
て、中華民国期の「反キリスト教運動」、そして中華人民
共和国時代のキリスト教弾圧運動と今日の反日主義へと繋
がる。その結果、「反韃子」で成立した中国人(漢民族)
による中国人のための国家は必然的に対内的にはチベット
人やモンゴル人などを弾圧の対象とするし、日本などは絶
対に「敵」であり続けなければならない。
 躓かされた日本は自省の念も含めて中国をマルクス主義
の階級論に即して善意的に解釈しよう、と戦後に努力して
きた。しかし、反帝国主義史観では「扶満滅洋」、すなわ
ち「清朝を助けて西洋を滅ぼす」目標を唱えた義和団事件
の解明には至らない。「人民」が「搾取階級」を打倒し
て「民主政権」を建立したという革命史観では中華人民共
和国の専制的特徴について説明しきれない。社会主義の進
歩史観は20世紀の流行だったが、それでも中国を分析する
武器にはならなかった。
 リベラル派歴史家は、「中国と中国人を区別しよう」と
の空論を死守しようと踏ん張る。「中国」という国家は中国
人が運営しているからこそ、国際社会の異質な存在だ、と
本著は中国流ナショナリズムの本質を解剖している。





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