アリババ・馬雲会長の転機となった小説「人生」を収録した本売れています。 [ 2014/09/30 ]
書名:路遥作品集
編著者:路遥著安本実選訳
出版社:中国書店
定価:3,600円
出版年:2009/12月
中国巨大企業アリババ社・馬雲会長
「転機は『人生』(路遥著)という1冊の本との出会いでした。挫折を乗り越えた者こそ人の上に立てるというこの本に啓発された馬は再度奮起して大学に入るのです」
出典:「数学1点」劣等生から奮起アリババ・馬雲WEDGEInfinity(ウェッジ)
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3813?page=2
中国内陸部の黄土高原、延安の農村地帯を舞台に閉塞的社会構造下に生きる青年の野望と挫折を描き、一九九二年、四十二歳の若さで没した茅盾文学賞作家・路遥。
真摯、重厚、静謐な作品は「隠れた声なき大多数」である海賊版の読者を含めて、青年層を中心に今もなお絶大な人気を誇る。
路遥生誕六十周年を記念して、代表作『人生』を含む本邦初訳の名作選。
収録作品:「姉」,「月下」,「困難な日々に在りて」,「人生」,「痛苦」
中国内陸部の黄土高原、延安の農村地帯を舞台に閉塞的社会構造下に生きる青年の野望と挫折を描き、一九九二年、四十二歳の若さで没した茅盾文学賞作家・路遥。
真摯、重厚、静謐な作品は「隠れた声なき大多数」である海賊版の読者を含めて、青年層を中心に今もなお絶大な人気を誇る。
路遥生誕六十周年を記念して、代表作『人生』を含む本邦初訳の名作選。
収録作品:「姉」,「月下」,「困難な日々に在りて」,「人生」,「痛苦」
四十二歳の若さで没した作家の生誕六十周年を記念して、長編『人生』を含む本邦初訳の名作選。
なぜ、いま路遥(ルーヤオ)なのか。黄土高原が産んだ貧農出身の作家、路遥の作品が日本で紹介されることは、これまで比較的に少なかった。しかし92年に42歳の若さで世を去った彼の作品は、中国では彼の没後も依然として読み続かれている。路遥は中華人民共和国の誕生と同時期に生をうけ、国家の苦難の歩みと共に青年期を過ごした。陝西省北部の極度の貧困や飢餓の生活に耐えながら、必死に学び、文学の路を追求した。本書は、彼の生誕60周年記念として、その輝かしい成果である中編小説「人生」(82-83年全国優秀長編小説賞)をメインに、短編「姉」「月下」「困難な日々に在りて」「痛苦」の4篇を配し、路遥文学の逞しい骨格と青春の色彩を披瀝している。これは、そのあとの大長編「平凡な世界」(86-89年)へと続く、一連の高い山脈とみなされよう。作品のすべての主題は、人民共和国創世期における「三大格差」にある。即ち「農業と工業」「農村と都市」「肉体労働と頭脳労働」の信じがたい差別、それに加えて、揺れ動く下部権力構造の酷薄さが、農民の明日を不安なものにする。恋愛さえも継続発展を許されない、新中国に残存する頑迷な封建制が、若者たちに悲劇を繰り返させる。その実態を自らの経験から容赦なく明らかにする路遥は、いわば「黄土高原の語りべ」である。これらの作品が、躍進する現在の中国にあって、若者や民工(都市流入労働者)に、熱心に読まれるのか。いま中国を覆う失業、就職難、農村戸籍問題など・・・・不安な人生を感じている人々にとって、共感と慰撫、そして希望、勇気を与えてくれる「実感の文学」がそこにあるからであろう。翻訳の巧みさもあって、陝西省北部の農村の雰囲気に満ち、文章隋所に登場する老若農民、各種の動物、樹木、草花、作物、野菜畑、そして生活感あふれるヤオトン住居、移り変わる四季の風景などの多彩な描写も、これらの作品の魅力であり、文学性を高揚している。なお、当時の政治・経済・教育・社会現象などの用語について、各篇末に詳細な訳注があり、読者にとっては、路遥研究の第一人者である訳者の「あとがき」も貴重な資料となる。中国現代文学の愛好者のみならず、社会史の研究者にとっても待望の作品集といえよう。評者:『中国文化大革命事典』(1997中国書店発行)監訳者徳澄雅彦
著者について
中国現代文学の代表的作家の一人。
1949年12月、陝西省北部(陝北)の黄土高原の貧しい農家の長子に生まれる。
幼少年期に困窮生活を体験したナイーブな感性は社会の底辺に生きる農民の魂と喜怒哀楽を温かく且つシビアに見つめた。
その作品は閉塞的社会状況に生きる名もなき農村若者の喜びと苦悩、野望と挫折のさまを描いて現代中国社会の構造的矛盾を見事なまでに照射する。
代表作に中篇『人生』(82年)、大部の長篇『平凡な世界』(86~89年)があり、真摯に生きようとする青年層読者を中心に根強い人気を保ってロングセラーの地位を静かに占め続けている。
著者略歴(「BOOK著者紹介情報」より)
路遥
本名:王衛国(WangWeiguo)。中国現代文学の代表的作家の一人。1949年12月、陝西省北部(陝北)の黄土高原の貧しい農家の長子に生まれる。幼少年期に困窮生活を体験したナイーブな感性は社会の底辺に生きる農民の魂と喜怒哀楽を温かく且つシビアに見つめた。その作品は閉塞的社会状況に生きる名もなき農村若者の喜びと苦悩、野望と挫折のさまを描いて現代中国社会の構造的矛盾を見事なまでに照射する。代表作に中篇『人生』(82年)、大部の長篇『平凡な世界』(86~89年)があり、真摯に生きようとする青年層読者を中心に根強い人気を保ってロングセラーの地位を静かに占め続けている
安本実
1947年5月、高知県宿毛市生まれ。兵庫県姫路市在住。関西大学大学院修士課程修了。文学修士。大阪府立高等学校定時制の課程教員(1975~1989年)、姫路獨協大学外国語学部教員(1989~2008年)。中国現代文学専攻、姫路獨協大学名誉教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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