書名 : 六朝書翰文の研究
編著者 : 福井佳夫
出版社 : 汲古書院
定価 : 15,000 円
出版年 : 2020/03 月
第一章 作家の簡潔な注釈たりうるか─書翰文の概観─
書翰のジャンル
殷周の書翰文/秦漢の書翰文
六朝の書翰文
簡潔な注釈たりうるか
標題の命名
第二章 友と清宴をたのしもう─曹丕「与呉質書」を中心に─
「与呉質書」の内容
「与呉質書」の四特徴
文雅な曹丕像
曹丕と蕭兄弟
曹丕と蕭兄弟書翰
陳後主「与詹事江総書」の内容
第三章 書翰の名手はわしじゃ─応璩の書翰文─
日常性
ユーモア
誇張
美文的彫琢
応璩書翰の意義
第四章 二流の書翰で失敬─王羲之の書翰と尺牘─
尺牘の三段構成/尺牘解釈の困難
公私と雅俗の比例
尺牘の価値
書翰と尺牘の連続性
「与会稽王牋」の文章
桓温「薦譙元彦表」との比較
天は二物を与えず
第五章 書翰は文学であります─鮑照「登大雷岸与妹書」を中心に─
鮑照「登大雷岸与妹書」の文章
呉均「与朱元思書」の文章
庾信「為梁上黄侯世子与婦書」の文章
劉孝標「重答劉秣陵沼書」の文章
鑑賞用書翰文の価値
第六章 裏をよまねばならぬぞ─劉孝儀の「北使還与永豊侯書」─
南北の交流使節/「北使還与永豊侯書」の内容
蔑視感情/陳腐な先入観
優等生の感想文
ホッとしたわい
第七章 皇太子がお便りします─蕭統蕭綱兄弟の書翰文─
早熟な十五歳(兄)
文学と賢才(兄)
哀悼の情(兄)
大仰な表現(弟)
攻撃性(弟)
繊細な感覚(弟)
兄弟の文学的資質
第八章 構成は三段できめよう─美文書翰の書式─
書儀と月儀
三段構成
二流文人の文例集
書儀としての信憑性
「十二月啓」の価値
第九章 これが書翰のお手本じゃ─「十二月啓」訳注─
太簇正月
夾鍾二月
姑洗三月
中呂四月
蕤賓五月
林鍾六月
夷則七月
南呂八月
無射九月
応鍾十月
黄鍾十一月
大呂十二月
第十章 書翰は気どってかこう─王褒「与周弘譲書」を中心に─
千里の面目
望郷の書翰文
類型的な叙しかた
隠逸書翰の食言
恋情書翰の虚構
装飾と美文
第十一章 母さまにお会いしたい─宇文護母子の書翰文
無名氏「為閻姫与子宇文護書」
宇文護「報母閻姫書」
口語化と美文化
率直な感情吐露
健全な儒教精神
いちずな訴え
第十二章 臣にならぬか─招隠書翰─
楊暕の「与逸人王貞書」
招隠の風
魏の招隠書翰
沈約「為武帝与謝朏勅」
梁武帝期の招隠書翰
清節と寛仁
江淹「為宋建平王聘逸士教」
平和な世の産物
読後感よき文学
索 引
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