書名 : 中国モダニズム作家の歴史再構成―施蟄存歴史小説論
編著者 : 青野繁治
出版社 : 朋友書店
定価 : 2,500 円
出版年 : 2020/03 月
1920年代から30年代にかけて小説家として、また『現代』という雑誌の編集者として、上海を中心に活動した施蟄存の歴史小説作品五編を取り上げ、これら素材が明らかな歴史題材を、施蟄存がどのように処理して小説としてリメイクしたのか、その過程を明確化することによって、歴史と文学の問題つまり史実と虚構の問題を様々な角度から考察する。
施蟄存の歴史小説に対する考察を通じて、中国文学研究上の様々な問題についても言及しており、中国現代文学草創期に活動し、多様な文学表現における新しい試みをおこなった施蟄存の文学的実験が、中国現代文学史においてどのような意味を持つのか、を考察する上で重要な視点を提供する。
目 次
はじめに
序 章 歴史小説に見る施蟄存の方法意識―茅盾との比較から
第一章 「鳩摩羅什」の成立
第二章 「黄心大師」をめぐって
第三章 歴史短篇小説「李師師」
第四章 「石秀」の成立
第五章 施蟄存「将軍底頭」成立の背景資料について
第六章 施蟄存「阿襤公主」と郭沫若の「孔雀胆」
終 章 文学と歴史学のはざま―「黄心大師」の波紋
補 章 文人から作家・編集者・翻訳家そして研究者へ―施蟄存の文学歴程
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