書名 : 六朝艶詩研究【和書】
編著者 : 大村和人
出版社 : 中国文庫
定価 : 9,900 円
出版年 : 2023/02 月
六朝艶詩研究 上製
中国の六朝時代、その中でも斉・梁を中心とする時期に流行したのは、女性あるいはそれとかかわる事物を題材とした艶詩であった。後世の人々はそれらの艶詩が儒教から乖離し、作品制作の流行が当時の人々の風俗の頽廃に由来したと主張して痛烈に批判した。六朝艶詩に対するそのような見方は、現在に至るまで大きくは変わっていない。
本書は上記の説に疑問を呈し、六朝時代の幾つかの代表的艶詩作品の性質と制作の流行の背景、そして作者たちの文学思想を再検討することによって、六朝艶詩の特質および作者たちの精神のこれまでに看過されてきた一面に光を当てる。
本書は、中国古典文学研究に一石を投ずる論稿である。
目次:
緒言――昭明太子の艶詩の存在が意味するもの
第一部 「相逢行」「長安有狹斜行」「三婦豔」研究
第一章 「相逢行」「長安有狹斜行」「三婦豔」の概要
第二章 深奥の宴
第三章 「三子」の帰宅と私宴
第四章 「巫」から「小婦」へ
第五章 絶えざる楽舞、永遠の幸福
第六章 『詩經』「正雅」的世界の希求
第七章 宴における「言志」
第二部 六朝時代の艶詩と「祭祀」・「宴飲」・「家族」
第二部 序言
第八章 鳥の舞――「白紵舞歌」晋古辞の文学史上の位置について
第九章 南朝梁・蕭綱の西曲模擬作品考
第十章 夫の帰宅――南北朝後期の「羅敷古辭」模擬作品について
第十一章 あざわらわれた洛神――南朝陳・顧野王の「艶歌行」をめぐって
第十二章 南朝梁「内人」詩のテーマと視点
第十三章 南朝梁・徐勉「迎客曲」「送客曲」の意味
結語
初出一覧
謝辞
人名索引
書名・作品名・研究書名・論文名索引
英文目次
中文目錄・中文摘要
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