書名 : 一塊のパン―ある学徒兵の回想(上)
編著者 : 上尾龍介
出版社 : 中国書店
定価 : 2,300 円
出版年 : 2015/07 月
第2回シベリア抑留記録・文化賞を受賞しました。
http://sdcpis.webnode.jp/%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A2%E6%8A%91%E7%95%99%E8%A8%98%E9%8C%B2%E3%83%BB%E6%96%87%E5%8C%96%E8%B3%9E/
生きたい、何としても生きたい──
戦争が当たり前だった時代の青春
宮崎中学卒業後、北京興亜学院へ。東洋の古都・北京での学生生活も束の間、学徒動員により砲兵として北支派遣軍「衣兵団」に配属。
敗戦を北部朝鮮で迎え、ソ連軍の捕虜としてウラジオストクへ移送される──。
あの頃、時代の中で戦争に行くのは当たり前のこと、と思わなければなりませんでした。軍隊に入ったその時から、自分の命は自分のものではなくなってしまいます。それが戦争です。(略)
そして、僕もとうとう生きることを諦めようとしていたある時、友人がくれた一塊のパン。これが、その後の新しい僕の人生につながったのです。生きたい、なんとしても生きたい。それが僕の願いでした。(略)
それは悪夢のような現実にあった青春の一時期でした。生きながらえて七十年が過ぎました。生きること、命の尊さを、今を生きる人々に伝えたい。そんな思いが沸々と湧き上がり、この記録をまとめました。一人の学徒兵の体験ではありますが、命あることの喜びを感じ取ってもらえたら幸いです。──「まえがき」より
|
|