書名 : 多角的視点から見た日中戦争
編著者 : 馬場毅編
出版社 : 集広舎
定価 : 5,500 円
出版年 : 2015/05 月
2015年は戦後70周年であり、日中間では、日中戦争をめぐる歴史問題が争点となりつつある。現在、日本での「嫌中論」の高まりの中で、日中戦争の実相についての関心は薄れ、一部に歴史修正主義的言説がまかり通っている。本書は、政治・経済・軍事・文化・民族の相克の諸側面という多角的視点からみた日中戦争の実相を明らかにすることを目的にしたものである。
目 次
序文 馬場 毅
Ⅰ 満洲事変前後
万宝山・朝鮮事件――訊問調書・裁判記録からのアプローチ 菊池一隆
遠藤三郎と第一次上海事変――「遠藤日誌」を中心に 張 鴻鵬
福建事変時における日本政府の対応について――「臨検・封鎖問題」と「抗日的論調取締問題」を中心に 橋本浩一
抗戦前四川における小額貨幣と中国幣制改革 岡崎清宜
Ⅱ 盧溝橋事件以後
辻政信とチャハル作戦 森 久男
「蒙疆政権」の家畜・畜産物統制政策――獣毛・獣皮取引機構を中心に 田中 剛
日中戦争期の満洲における文化工作および音楽ジャンル観に関する考察 葛西 周
中国華北地域における「北支軍」映画工作と新民映画協会 張 新民
治安強化運動と山東抗日根拠地について 馬場 毅
汪兆銘の満洲国訪問 一九四二 三好 章
戦時下晋綏辺区における紙幣製造について――洪濤印刷廠の西農幣印刷を中心に 楊 韜
抗日舞踊と育才学校の接点――陶行知、戴愛蓮、呉暁邦の合作 星野幸代
第二次大戦期中国とカイロ会議における東アジア秩序の再構想について――蔣介石日記を基礎討論として 呂 芳上/野口武訳
あとがき 馬場 毅
索 引
■執筆者
馬場 毅 愛知大学名誉教授
菊池一隆 愛知学院大学教授
張 鴻鵬 名城大学大学院院生
橋本浩一 守口市立第三中学校夜間学級教諭
岡崎清宜 愛知県立大学非常勤講師
森 久男 愛知大学教授
田中 剛 大阪教育大学非常勤講師
葛西 周 東京藝術大学非常勤講師
張 新民 大阪市立大学教授
三好 章 愛知大学教授
楊 韜 佛教大学講師
星野幸代 名古屋大学准教授
呂 芳上 台湾・国史館館長
野口 武 愛知大学非常勤講師
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