書名 : 行動する考古学
編著者 : 高倉洋彰
出版社 : 中国書店
定価 : 3,600 円
出版年 : 2014/01 月
A5判上製 362頁 3,780円(5%税込)
ISBN978-4-903316-36-9 C0020
総合科学としての考古学においては,考古資料(遺跡・遺構・遺物)に基づく知の蓄積「知学問」に加え,交流と見聞による「目学問」・「耳学問」が重要である──。
韓国・中国を中心とする国際交流,九州国立博物館の誘致,大学博物館の運営,聖嶽洞窟遺跡事件,紙踏絵の研究など,著者独自の多彩で広範な“見聞考古学”の成果。
比較文化論や交流史論に視点を定めた比較考古学の実践
■著者略歴 高倉洋彰(たかくら・ひろあき)
1943年5月11日,福岡県朝倉市に生まれる。筑紫丘高校,九州大学文学部卒業,九州大学大学院文学研究科博士課程修了。九州歴史資料館技術主査を経て,西南学院大学文学部教授。現在,国際文化学部教授。文学博士。【著書】『弥生時代社会の研究』(東出版寧楽社,1981年),『日本金属器出現期の研究』(学生社,1990年),『弥生』(光文社文庫,1991年),『金印国家群の時代』(青木書店,1995年),『大宰府と観世音寺』(海鳥社,1996年),『交流する弥生人』(吉川弘文館,2001年),『箸の考古学』(同成社,2011年)【編著】『観世音寺』(淡交社,1981年),『日本における初期弥生文化の成立』(文献出版,1991年),『AMS年代と考古学』(学生社,2011年),『大学的福岡・博多ガイド』(昭和堂,2012年)ほか【共訳書】『図説中国古代銅鏡史』(中国書店,1991年)ほかに論文多数。
■目次
はじめに
国際交流の考古学
Ⅰ 国際化の遺跡
Ⅱ 国際交流の精華・弥生文化
Ⅲ オウの誕生
Ⅳ 国際文化学のなかの考古学
Ⅴ 碣石宮と徐福
Ⅵ 兎は月で餅をつく
Ⅶ 寧波をさわがす日本人
Ⅷ 南方世界との交流の門戸としての琉球
現地踏査は知識の泉
Ⅰ 旅・ヒラメキ・苦吟
Ⅱ 赤飯と赤酒
Ⅲ 魔除けの鏡
Ⅳ 中国・中原の古代を旅して
Ⅴ 慶州で大宰府を考える
観世音寺の甍と鐘
Ⅰ 観世音寺の創建期について
Ⅱ 観世音寺戒壇と延暦寺戒壇
Ⅲ 馬頭観世音像 悲と忿怒
Ⅳ 中世観世音寺の隆盛と衰退
Ⅴ 観世音寺宝蔵
九州国立博物館の誘致と開館
Ⅰ ミュージアム・グッズの楽しみ
Ⅱ これからの博物館像とは
Ⅲ 博物館のある街の景観
Ⅳ 二つの国立博物館の誕生
Ⅴ 『ミュージアム九州』に集った研究者たち
Ⅵ 九州国立博物館開館一年に思う
大学博物館の必要性
Ⅰ 大学博物館への期待
Ⅱ 大学の知性の象徴・大学博物館
Ⅲ 西南学院大学博物館設置の意義
聖嶽洞窟事件の解明
Ⅰ ふたりの大人
Ⅱ 九州の考古学と賀川光夫先生
Ⅲ 聖嶽洞窟遺跡に関する問題の所在と検証
キリシタン文化研究事始め
Ⅰ 景教僧文青磁壺(古青磁貼花神父像長壺)
Ⅱ 踏絵の一形態 紙踏絵の紹介と検討
硬軟の考古学
Ⅰ 交差年代決定法による弥生時代中期・後期の実年
Ⅱ 博多の夜は屋台で飲もう
図版の出典
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