書名 : 土地と霊魂
編著者 : 王幼華著/石其琳訳
出版社 : 中国書店
定価 : 2,600 円
出版年 : 2014/02 月
19世紀の実話に基づき、知られざる台湾史を描いた衝撃作品の初邦訳。移民の歴史と多元的な文化を持つ台湾において、初めて先住民を主体とする歴史を描いた王幼華の代表作。1992年発表後、台湾社会を震撼させ、同時に多くの議論を引き起こした本書は、日本人にとって、従来の親密感をもつ台湾に対し、新たな視覚で現在の台湾社会の問題を考察し、理解を深めるためのよい手がかりになる。
目 次
訳者から
1 暗礁
2 メリシ
3 談判
4 咸記洋行
5 東北角
6 陳大化
7 追放
8 愛と美しい大地
9 探す
10 約束
11 肯定
12 陳社長
13 婚礼
14 出発
15 械闘
16 金の十字架
17 火薬
18 神木
19 落魄
20 災難
21 決議
22 死の影
23 空しい夢
24 蜃気楼
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王幼華の経歴
吾島・吾土・吾民
『土地と霊魂』日本語版のために
解説
*** 読売新聞(2014/04/05) 「新刊・近刊」(西部版) ***
◆土地と霊魂(王幼華・中国書店・2600円税別)
19世紀後半、台湾で実際に起きた事件に基づく歴史小説。1992年に台湾の学術文学賞である中山文芸賞を受賞した。筑紫女学園大アジア文化学科の石其琳教授による初の日本語訳。先住民の娘と恋に落ちた難破船の英国人船長が、仲間とともに先住民の楽土建設に奮闘するが、漢人たちの弾圧に敗れ、娘は惨殺され、船長も遭難死してしまう。先住民の虐殺、土地の収奪といった歴史について、漢人社会に反省を迫る問題作で、台湾理解を深める手がかりともなりそうだ。
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