書名 : 日本外交文書日中戦争(全4冊)
編著者 : 外務省編纂
出版社 : 六一書房
定価 : 35,000 円
出版年 : 2011/05 月
定価 :36750円(本体35000円)
A5判上製 カバー 輸送箱入
3300頁(4冊合計)
膨大な外務省所蔵記録から
丹念に集められた関係史料
当時の緊張感が
いま鮮烈によみがえる
・日中戦争発生から太平洋戦争に至るまでの関係
文書を収録
・日中二国間のみならず、日中戦争をめぐる第三
国との関係を含めた様々な項目を設定
・原文を忠実に活字化し、文書番号や件名を付し
て項目ごと日付順に配列
・外務省に残存していない文書についても他機関
所蔵史料からできる限り補填し収録
・巻末に全収録文書の索引を掲載
推薦の言葉
波多野澄雄(筑波大学教授)
外務省は、「幣原外交」の時代から外交記録の編簒・公開という事業に熱心に取り組んできた歴史がある。とくに、1936年からは、戦時を除き、「日本外交文書」の編簒刊行を今日ままで続け、その数は200冊を超えている。
今回の特集巻「日中戦争」は、「満州事変」や「太平洋戦争」に続く特集巻として、なぜ日中戦争が日米戦争にいたったのか、それを外交面から考える多くの重要記録に充ち、内外に誇り得る充実した内容である。
戸部良一(国際日本文化センター教授)
日中戦争はいかなる戦争だったのか。軍事的側面や占領地統治の実態が、この戦争の重要な部分を占めることは言うまでもない。それと同じく重要なのは、この戦争の外交的側面である。検出・策定された戦争終結構想の実態、繰り返された和平の試み、戦争長期化に伴う列国との関係悪化など、重要な局面に関わる外交記録を体系的に整理した『日本外交文書』のこの特集を活用して、実証的な日中戦争研究のさらなる進展が期待されよう。
第一冊
一、 日本の対処方針
1. 盧溝橋事件の発生から全面戦争への拡大
2. 邦人引き揚げ問題
3. トラウトマン工作と「対手トセズ」声明の突出
4. 宇垣外相就任から第一次近衛内閣退陣まで
5. 平沼・阿部・米内三内閣期
6. 第二次近衛内閣の成立から太平洋戦争開戦まで
第二冊
二、 汪兆銘工作と日華基本条約の締結
1. 汪兆銘の重慶離脱
2. 汪兆銘のハノイ脱出から訪日まで
3. 新中央政府樹立に向けた動静
4. 内約交渉と南京国民政府の成立
5. 日華基本条約の締結
6. 汪兆銘再訪日と枢軸諸国の汪兆銘政権承認
三、 占領地域における諸問題
1. 一般問題
2. 中国海関接収問題
3. 興亜院の設置
4. 経済問題
第三冊
四、 国際連盟の動向と九国条約関係国会議
1. 中国の連名提訴と日中紛争報告書の総会採択
2. 九国条約関係国会議
3. 連盟規約第十六条摘要問題と日本の連盟協力終止
五、 事変をめぐる第三国との関係
1. 一般問題
2. 英国との関係
3. ソ連邦の動向
4. わが国空爆による列国の被害
5. 揚子江開放問題
6. 列国の対中財政援助策
六、事変をめぐる米国との関係
1. 外交原則尊重に関する米国の諸声明
2. 日米通商航海条約廃棄通告
3. 野村・グルー会談
4. 有田・グルー会談
5. 米国による対日制裁措置の強化
第四冊
七、 津英仏租界封鎖問題
1. 鎖実施に至る経緯
2. 鎖措置に対する英国の抗議
3. 英東京会談(一)
会談開催から一般的原則に関する協定の合意まで
4、 日英東京会談(二)
具体的問題に関する協議と会談の決裂
5、 英国の交渉再開要請
6、 日英公文交換と封鎖の解除
八、上海租界をめぐる諸問題
九、援蒋ルート遮断問題
1、仏印ルート
2、ビルマ・香港ルート
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