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書名 : 華僑ネットワークと九州
編著者 : 和田正広・黒木國泰編著
出版社 : 中国書店
定価 : 6,400 円
出版年 : 2006/03 月

A5判上製 351P
本書の各論は、中世後半・近世より近現代にわたる南・北九州の地と、当該期中国人との民間レベルでの社会経済交流史に見られた時代状況の特色が素描されている。
 第一篇の中世後半・近世期では、漂着唐船(実は私貿易船)の幕府各級出先官署への通報・曳航システムとか、大航海時代の東アジア倭寇期に形成された唐人居留地の中に、呼称としての唐人町や、行政区域としての唐人町があり、それが近現代へどう継承されてきたのかについても触れている。
 第二篇では、大陸は文革で農村文化財の破壊が見られたのに対して、社会資料調査の宝庫として旧農村(宗廟他)が残存する近代在日華僑のふるさと=台湾領金門島の内実、そこから陳氏他が幕末に渡来して織り成した長崎華僑社会の在り方が記される。
 第三篇では、日本資本主義の発展途上における近代門司港の盛衰と華商の係わり、当港からは民間有志による孫文支援の武器輸送もなされたこと、ここを含む現北九州港の税関統計よりみた対中貿易の動向と将来展望が述べられている。

 
 目 次

第1編 南部九州と明清期の中国人
17世紀環シナ海地域システムの変容と
           鄭氏台湾の降伏  黒木國泰 11

はじめに 11
1.日本での異国海難難民の取扱システムの特質  13
2.鄭氏台湾と琉球・日本  21
3.鄭氏降伏情報をめぐって  22
4.鄭氏降伏後の環シナ海地域システムと琉球、日向  24
5.外交文書の授受等について  26
むすび  29
市来唐人町の痕跡  和田正広 37
はじめに  37
一.唐人町の先行研究  38
二.隣接集住~雑居型の唐人町  46
三.河口港市来湊の繁栄と江夏氏  61
おわりに 101
都城唐人町の研究  佐々木綱洋 109
まえがき  109
第1章 唐船の渡来地、内之浦  109
第2章 都城領の飛地、内之浦  131
第3章 都城唐人町の成立と移転  133
第4章 都城唐人町(現、中町)の繁栄  139
第5章 都城市中央通り今昔  146
第6章 都城市中央東部土地区画整理事業における
         中町(唐人町跡)遺跡とその周辺の遺跡  151
あとがき  157



第2編 近代在日華僑のふるさと
唐人屋敷と長崎華僑  陳東華 165
1、最後の唐船と近代華僑の誕生  165
2、華商創成期-泰昌号の誕生  166
3、唐人屋敷処分と福建会館  167
4、三つの幇と福建パワー  168
5、唐人墓地と館内五堂  170
6、長崎の四つの媽祖堂  171
長崎居留地の中国人社会  陳東来 173
はじめに 173
一、唐館独占貿易の終焉  174
二、居留地完成前に仮泊地 174
三、大浦外人居留地と中国人  176
四、新地の居留地編入  179
五、唐館処分  181
六 明治初期の中国人社会  182
七、明治維新前後に活躍した中国人と商社  189
終わりに  195
金門僑郷社会分析  市川信愛 199
問題視角  199
一、華僑の島・大小金門の分析視座  200
二、金門姓氏社会の形成概史   208
三、ネットワークの形成  224
一応のまとめと今後の課題 238


第3編 北部九州と近現代中国
近代門司港と華商  和田正広・翁其銀 253
はじめに  253
一、近代門司港の発展要因  254
二、門司港が華商へ提供した交易上の利便性  264
三、門司港運組織の実態的一側面  270
おわりに 281
孫文と福岡の人びと  芦益平 285
はじめに  285
1.数回にわたる孫文訪福  285
2.県民の支援活動  289
3.福岡の革命志士  295
おわりに  300
日中貿易の拡大状況と北九州港  永木睦文 303
はじめに  303
(一)戦前から日中国交正常化までの動き   304
(二)戦前の日中貿易と航路配船  307
(三)戦後、日中国交正常化に手間取る  310
(四)日中国交正常化以降の両国海運の動向  315
(五)日中間貿易額の推移  320
(六)日中間貿易統計諸表  326
(七)日中海運輸送協議会の活動  332
おわりに  338

あとがき  341
追悼 市川信愛先生 和田正広  343
市川信愛先生追悼 黒木國泰  347

 本書の各論は、中世後半・近世より近現代にわたる南・北九州の地と、当該期中国人との民間レベルでの社会経済交流史に見られた時代状況の特色が素描されている。
 第一篇の中世後半・近世期では、漂着唐船(実は私貿易船)の幕府各級出先官署への通報・曳航システムとか、大航海時代の東アジア倭寇期に形成された唐人居留地の中に、呼称としての唐人町や、行政区域としての唐人町があり、それが近現代へどう継承されてきたのかについても触れている。
 第二篇では、大陸は文革で農村文化財の破壊が見られたのに対して、社会資料調査の宝庫として旧農村(宗廟他)が残存する近代在日華僑のふるさと=台湾領金門島の内実、そこから陳氏他が幕末に渡来して織り成した長崎華僑社会の在り方が記される。
 第三篇では、日本資本主義の発展途上における近代門司港の盛衰と華商の係わり、当港からは民間有志による孫文支援の武器輸送もなされたこと、ここを含む現北九州港の税関統計よりみた対中貿易の動向と将来展望が述べられている。

 





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