書名 : 上海鼎記号と長崎泰益号
編著者 : 和田正広・翁其銀著
出版社 : 中国書店
定価 : 7,200 円
出版年 : 2004/03 月
A5判上製297頁
近代東アジアの環シナ海地域では、人・モノ・金・情報の交流によって、交易の質量を伴う活況が見られた。
本書は、旧上海の対日貿易商グループ(東洋荘)の一員であり、海産物を主取引とし、漢方薬や金融取引にも携わっていた寧波幇「鼎記号」と、近代長崎の華商「泰益号」との間の中小企業型交易の一般を解明したもの。手がかりは中国草書体で記された片務的な「泰益号」宛の商業書簡で、読み解いた内容は品目、数量、単価、値段、輸送手段、運賃、保険料、税率、税額、取引経費の決算方法、軍事・政治・社会・市場等の情報による詳細にして貴重な資料である。
長崎泰益号宛て上海鼎記号商務書簡の特色/寧波幇鼎記号のネッ
トワーク上の位置/鼎記号と泰益号との取引上の特徴/鼎記号と
泰益号の姉妹店との取引上の特徴/20年代末以降における経営不
振下の鼎記号/鼎記号の倒産と泰益号貿易ネットワークの崩壊
付篇:長崎泰益号と上海商行との交易の特徴/泰益号宛上海茂記
号の一九一七年書簡の分析/上海乾泰薬行の長崎泰益号と
台湾商社との交易問題/泰益号及びその取引仲間の商業道
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