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書名 : 戦後台湾労使関係の研究
編著者 : 張国興著
出版社 : 中国書店
定価 : 6,400 円
出版年 : 2000/02 月

A5判ハードカバー445ページ
2・28事件54周年記念。1950年から80年代-戒厳令体制下台湾の
労使関係の実態をはじめて具体的に分析した迫真の研究。
台湾の政治・経済・社会理解に恰好の一書。


 1945年、日本の敗戦によって「光復」を迎えた台湾に、やがて訪れたのは、
中国大陸から渡って来た蒋介石国民党政権の38年間に及ぶ戒厳令時代であっ
た。急速な工業化にともない台湾経済は飛躍的発展をたどるが、実は途上国
にありがちな未熟でいびつな労使関係が、戒厳令の黒いカーテンの下に隠さ
れていた。
 本書は軍事体制と一党独裁が、いかに正当な労働運動を圧殺し、労使双方に
内部腐敗と権力の癒着を招いたかを、豊富な事例をあげて実証している。引例を広範囲の報道媒体などに求め、内外の各種統計を縦横に分析洞察して、戦後から戒厳令解除後にいたるまでの、労使関係の実態を解明している。本書を手にする者は、各業種別企業から代表的実例を選んだ詳細な記録と、注記に見る典拠資料の多種多彩さに圧倒されるだろう。
 著者は台南に生まれ、台湾大学で歴史学を学んだのち、来日して東大で研鑽を積んだ。熟達した日本語を駆使しながら、一学究として日台双方の関係学会に問題提起を続ける久留米大学法学部教授。国際関係や労働問題を高い視点から論じる著書の中で、自身の「台湾人」としてのアイデンティティト、台湾の民主主義を希求する心情が行間にただよう。戦後台湾の政治・経済・社会を理解する上で必読の異色の研究書。
付録として論文《台湾の民主主義》・《台湾の建国と国際認知》、および索引を付す。

 戦後台湾の政治、経済、社会を理解するうえで異色の研究書が福岡市の中国書店から出版された。著書は台湾台南市に生まれ、1959年台湾大学の歴史系を卒業、東京大学国際関係論博士課程単位取得。のち久留米大学にて博士号を取り、現在久留米大学教授。
本書は戦後台湾の1950年から80年代までの国民党の労働政策、労使関係、労組の実態と労働争議などについて具体的な事例をあげて分析している。この時代は国民党による戒厳令下にあり、労働統計まで国家機密に指定されて資料の入手も困難を極めたという。このため理論の構築というよりも事実の解明と問題の提起に重点を置いたと著者はいう。しかし労働組合の実態をはじめ団体協約、就業規則の制定などを取り上げながら、急速な台湾経済の飛躍の背後にあった未熟でいびつな労使関係、労使双方の内部腐敗と癒着関係を描き出している。台湾人としての著者のアイデンテイテイと民主主義を求める心情から出た書として内外の専門家から高い評価を得ている。
(西日本新聞 2000年3月19日 読書面 より転載 一部訂正)





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