書名 : 『荘子』内篇の研究
編著者 : 佐藤明
出版社 : 中国書店
定価 : 10,874 円
出版年 : 1998/02 月
荘子』内篇の研究
A5判ハードカバー370㌻
◆内容
第一章 『荘子』の書について/第二章 斉物論篇の構成(その一)/第三章
養生主篇の構成/第四章 逍遥遊篇の構成/第五章 司馬遷の見た『荘子』/第六章 斉物篇の構成(その二)/第七章 人間世篇以下四篇の構成/第八章『荘子』内篇の成立について/付録 『老子』について
中国古典において第一級の価値をもち日本にも多大な影響を与えた老荘思想の精粋『荘子』斉物論篇を独自な視覚と精緻な方法で究明し、中国思想史研究に新生面を切り拓く。研究を進めるに当たって『荘子』内篇を荘周一個人の作と考えることに疑問を持ち、荘周の書いた部分を限定していく過程において『荘子』内篇は編纂物であるという結論を得、またほぼ同時に斉物論「論説部」(荘周の著作に該当するかも知れない唯一の部分)が語録ではないかという仮設を持つに至った。 (中略)
荘周の個人の行状、恐らくそのほとんどが創作されたものではあるが、その荘周の荘周たる所以は何であろうかと考えたとき、それは「隠者」あるいは「非政治的」(政治に対して無関心な)人間像であるということに考えが及んだ。そしてそれは『荘子』主要部分はもとより『荘子』の書の中のほとんどの部分で共通していることでもあった。もちろんこのことは従来言われてきたことには違いないが、自分の方法で自分なりに捉えた結果であるということで私にとっては価値のあるものであった。
本書「あとがき」より
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